外資系が高給を払ってでも採用したい人材とは?
今までに書類選考を通過した500人以上の最終面接を実施し、200人以上を採用してきた経験をもとにお話しします。
外資系のマネージャー、社長の立場からは、採用したい人材を一言でいうと「即戦力で使える人材」につきます。
「なあ~んだ。そんな当たり前のことか。」と思われるかもしれません。
もう少し、詳しく説明しますと「即戦力」というのは、
出社日1日目からすぐに Up & Run 最低限の指示をすればすぐに自分で動きはじめて成果をだすことができる能力、実力のあるという意味です。
つまり、いわゆる「ポテンシャル採用」つまり「少し時間を与えてトレーニングしてから」とか「将来的な可能性がありそうだから」というような新卒に対するような緩いモラトリアムは、全くないということです。
採用基準とホンネ
外資系の日本法人は、いうまでもなく本社からは、売り上げと利益しかありません。
本社からみれば日本法人は、日本営業所でしかありません。
正直なところ顧客満足度だとか社会貢献度合いだとかは、建前としてはあるかもしれませんが収益が前提でのことであり、本音のところでは最終的に「いくら稼いだか」しかないのです。
これは、外資系大企業も中小も同じです。
中小の方がその傾向は顕著ですが。
ですから、人材採用するマネージャーも社長も、採用することにより短期間でどのくらい自分と会社に対して貢献することができるのか?という視点しかありません。
試用期間
もし、採用した人材が使えないと判断した場合には、試用期間中(Probation Period)に、あっさり切り捨てます。
そうしないと自分の首を絞めることになりますから。
リクルーターを使っての採用は、リクルーターに支払うコミッションのコストが大きいのです。
リクルーターとの契約条件にもよりますが、その採用する人のサラリーパッケージ(基本サラリーとインセンティブボーナス)の20~40%くらいが一般的です。
ですから使えない人材を間違って採用してしまうようなことが連続すると非常にコストがかさみますし、
上司から「人をみる目がない」と判断されますので、
採用面接は非常に厳しいですし、この人材はダメだと判断したときの損切はすばやいものです。
職種による採用基準の違い
職種によって多少違いますが、特に営業職の場合は、このような採用基準が顕著です。
エンジニアの場合は、実際にプロジェクトを担当させれみて、職務経歴書や面接で確認したとおりのスキルレベルに達しているかどうか。
管理部門の場合には、その会社のシステムをすぐに理解し使いこなし問題なく本社とやりとりして業務を遂行できる能力があるかどうか。
というところがキーポイントです。
もちろん、周りとの協調性とかチームワーク、人柄なども試用期間中にチェックします。
直属マネージャーとの相性も非常に重要です。
外資系の人事には、その人の採用や解雇の権限は基本的にありません。
人事担当者は担当マネージャーの判断のもとにプロセスするだけです。
上位レベルのマネージャーに対する期待値
上のレベルのマネージャーとなると「稼ぐ力」はもとより、
- 変化への適応能力
- 創造的問題解決能力
- 責任感
- 忠誠心
- 英語力
なども加味されていきます。
最近ではとくにビジネスのマーケットの変化、時代の潮流の変化、パンデミックや災害などによる社会環境の変化など、急激な変化にことかきません。
あらたなサービスやライバルの出現などに素早く対応できる適応能力、創造的な問題解決能力は非常に重要です。
まあ、これは外資系によらずですが。
中小の外資系は給与レベルが高い
私が社長をしていたようなベンチャー系、中小の外資系は、ネームバリューもありませんし、安定度合いも正直いって低いため、そんなピカピカの人材が大勢応募してるわけではありません。
だからこそ、給与レベルを高く設定したり、ボーナスやストックオプションなどのインセンティブ制度を充実させたりして人材を確保するという施策をとっていました。
自分の人材価値をあげることにより多くの報酬を得られるチャンスは、外資系の世界にはたくさんあります。