事例紹介:転職したいが不安だ 決断のポイントは?

事例紹介 転職したいが不安で決断できない 決断のポイントは?

 

相談内容

 

現在の仕事内容・会社に不満があり転職したいとはおもうのだけれども、不安で決断することができません。

決断のポイントは、どのように考えればよいのでしょうか?

条件比較のチェックリストを作ったりしているのですが、どうしてよいかわかりません。

 

状況

Aさんは、一流大学を卒業後、有名大企業に勤務して5年目です。

 

仕事内容は国内営業職で、業種は通信キャリアです。

 

給与や福利厚生などは有名大企業だけあって、同年代の知りあいなどと比較して良いレベルです。

 

転職を考えるにいたった理由を整理してみます

 

  • 漠然とした「閉塞感」をかんじている
  • 先輩や上司をみていても、あのようにはなりたいとおもえない
  • 会社の将来、自分の会社内での将来に希望がもてない
  • 人生このままでいいのかと考え込んでしまう
  • もっと社会的に認知されたいし、収入も上げたい
  • ネットでの記事やSNSなどで、同年代でも外資系やベンチャーで活躍したり起業したりしてキラキラしている人達をみると、

    日々悶々としている自分とのギャップが大きすぎて悩んでしまう

  • とはいうものの、今の会社はとりあえず安定して給与も世間一般的にはよいので、外資系やベンチャーにいってハッピーになれるか自信がない

 

というところでしょうか。

 

みなさんは、この事例をどうおもいますか?

 

「非常に恵まれた悩みだなあ~。悩みのうちには入らないよ。

世間ではブラック企業であえいでいる人が多いというのに!」

 

と考えるひとも多いかもしれません。

 

しかしながら、このような相談事例は非常に多いのです。

 

Bright Side - Dark Side

 

SNSやネット記事などを見ていると、年代を問わずキラキラ族が多くいます。

 

GAFA等のうらやましい職場環境や楽しそうな仕事。

 

ベンチャー起業で成功して、タワマンに住んで、グルメ三昧で、大勢の友だちに囲まれて・・・

転職関連の記事を見ると、

キラキラ企業でキラキラしている人たちがたくさん語っています。

どういう実績、経歴なのかよくわからないインフルエンサーといわれる人、コンサルタントが

好き勝手なことを言っています。

ブライトサイド・明るい面だけをみると、誰でも「うらやましいなあ~。よし!自分も!」と

そう考えてしまうでしょう。

 

世間では、
日本の将来は真っ暗だ、
年金だって自分の年代にはもらえるかどうかわからない、
サラリーマンはオワコン、
パンデミックでさらに不安な世の中になってきたし、
異常気象で災害も怖い、
いつ巨大地震があってもおかしくない・・・

ダークサイド・暗い面にはことかきません。

The grass is always greener on the other side of the fence.

 

Aさんとは、詳細にわたって、現在の仕事内容、職場環境、嫌いなこと、将来展望、人生に対する考え方・・・等をじっくりとお聞きした上でアドバイスさせていただきました。

会社内でのもろもろ、両親兄弟などの家庭環境、健康状態、結婚など個人的なこともありますので、

ここでは、一般化して書きます。

 

人によって状況や考え方が違いますので、一概には言えませんが、

条件だけで比較選択をするようでは不満はいつまでもなくなりません。

 

仮に思い切って今よりも良さそうな条件の会社に転職したとしても、時間の経過とともに不満はでてくるでしょう。

 

人間の欲望にはきりがないものです。

 

The grass is always greener on the other side of the fence.

 

隣の芝生は青い

 

とは、言い得て妙です。

 

こういう諺があること自体、大昔からの人の本質的な性質でしょう。

 

決断のポイントは?

 

私のアドバイスは、条件を比較して選択するのではなく、

自分の本質的な能力・スキル・価値を上げるには、どうしたらよいのか?

という観点で考えてほしいのです。

 

今の会社、仕事が、「時間を切り売り消費するだけのルーチンジョブ」ならば

転職して心機一転がんばるものよいでしょう。

 

ただし、本当に今の会社、仕事には、自分の価値を上げるチャンスは残されていないのか?

については、詳細にヒアリングしないとわかりません。

 

失うのものがある不安

 

特にAさんの場合は、一流大学を卒業し、大手有名企業で働いているわけです。

 

世間一般的には、他人から「青い芝生」に見られているのかもしれません。

 

このようなケースは、「動物園」と「ジャングル」によく例えることがあります。

 

動物にとって「動物園」での生活は刺激のない退屈な生活かもしれませんが、餌を自分で捜しまわる必要はありませんし、病気になれば治療もしてくれます。

 

マズローの欲求5段階のピラミッドの下位の欲求である生理的欲求、安全欲求は十分に満たされている状態です。

 

かたや「ジャングル」では、自分の餌を獲る能力が低いと死んでしまいます。病気になったらお終いです。自分の能力がすべてです。

その能力しだいでは、ジャングル社会の中で、自由に楽しく「自己実現」できるのかもしれません。

 

Aさんの場合は、「失うものがある」不安です。

学歴もなく、ブラック企業で低い収入で毎日苦しい日々をおくっている人からみれば、「なにを贅沢な!」というところでしょう。

 

リスクのない人生

 

だれもが人生を幸せに楽しく生きたいとおもっているはずです。

だれもリスクなんかとりたくありません。

 

しかしながら、リスクのない人生などありません。

 

統計的な平均寿命まで健康に生きられる保証など誰にもありません。

 

いつ何が起きるかわからないのが人生です。

 

大企業、有名企業で働いているから将来安泰だと信じている人などもはやほとんどいないのではないでしょうか。

東芝、シャープなどの事例は、その典型例でしょう。

 

最近では、コロナパンデミックで世の中が大きく変わりました。

 

インバウンドで潤っていた観光旅行業、飲食業などは、大きなダメージをうけています。

 

だれも昨年の時点では、予測していませんでした。

 

今は安定している大企業、有名企業とて、数か月後にどうなるかなど全く予測がつかない世の中です。

 

「青い芝生」「青い鳥」を求めて右往左往するのではなく、

自分の本質的な能力・スキル・価値をあげることにフォーカスして、

転職の決断をしていただきたいとおもいます。