真面目で意識高い系の人が陥りやすいメンタル不調 その原因と処方箋
メンタル不調の原因は「閉塞感」だけではなく・・・
「うつ病」「不安障害」あるいは「やる気がでない」「無気力」「自分探し」の人が非常に増えています。
現在の日本社会に蔓延する閉塞感、というよりも
最近のパンデミック後は、もはや窒息しそうな雰囲気の中で苦しんでいる人が多いようです。
原因はよくいわれているような、
日本という国自体に対する将来的失望感、
自分の将来に対する漠然とした不安感、
出口の見えない長く暗いトンネルを歩いているような仕事と生活・・・
とくに最近のパンデミックによる戦時中のような執拗すぎる相互監視による精神的窮屈さも大きな原因となっています。
これらの状況は、たしかにメンタルに悪影響をあたえるものですが、
最近、多くの真面目で意識高い系の向上心強い人たちの相談を受けていて顕著なのは、
「なにものかになろう」としてもがき苦しんでいることが根本的原因にあるようです。
「何者・なにもの」かにならなければ自分の社会的存在意義はないのか
いまやSNSを使っていない人はいないでしょう。
Facebook、Twitter、Instagram、TikTok・・・ 。
予約のとりにくい有名料理店に行って仲間とピースサイン、
絶景の場所に旅行しての余裕の豪華バケーション、
経済的に成功して別荘で余裕で仲間くつろぐ人々、
同世代の物知り顔の格言的投稿、
幸せそうに子どもと遊ぶハッピー家族、
かっこいいダンスとファッション・・・
みんな多くの「イイね」をもらいたいのです。
みんな「他人から社会から認められたい」のです。
I am standing here ! おれは、わたしは、ここにいるんだぞ~!
今の世の中には、こういう情報が蔓延しています。
みんな「なにものかになろうと」して一生懸命努力してアピールしています。
高層ビルのてっぺんで、ぶらさがっているところを撮影しようとして、
手をすべらせて落ちて死亡したという映像を見たことありますが、
社会で認められようと自分の存在をアピールしようと命をかけている人も多いのが現代社会です。
まあ、これはSNSが普及する前から、人類の起源からかもしれませんが。
「何者・なにもの」かにならなければ自分の社会的存在意義はない
といわんばかりの雰囲気がSNS界隈には蔓延して増幅していることは確かなようです。
「インフルエンサー」といわれる人たちの功罪
仕事、ビジネス、キャリアアップのカテゴリーに限定して話をすすめます。
SNS界隈には、いわゆるインフルエンサーという人たちがいます。
こうやってビジネスで成功した、こうやって稼いだ、こうすれば幸せになれる、サラリーマンはオワコン、みんな起業して成功しよう!・・・
希望にあふれて就職した時点では満足していた今の会社、省庁。
ところが、自分が所属している企業の業績、ネームバリュー、ブランドにも
いつ突然暗雲がたちこめるかもしれない、
そんなものに頼っているのは不安過ぎる、
いつリストラされるかわからないし、
サラリーマンはオワコンだといわれているし、
よし個人で評価されるようにならなければ、
そうだ、おれも、私も、何者かにならなければ!
そして個人の価値で生きていけるようになるんだ!
このような風潮が強くあるような気がします。
だれもが「影響力をもちたい」「人から認められたい」「権力がほしい」「お金が欲しい」・・・
人類のはじまり以来、人間の本能的な欲望は変わりません。
少し前までは、
「良い会社」「有名な会社」「安定した会社」に所属して、
その中でがんばっていれば、なんとなく満たされていた気持ちが、
社会の変化、SNSの普及によって急速に変化してきたとおもいます。
それによって、メンタルに変調をきたしてくる人たちが非常に多くなっているのです。
とくに、向上心の強い、上昇志向のある「意識高い系」に、その傾向は強いようです。
根本的なメンタル不調の原因をつきつめると
「うつ病」「不安障害」あるいは「やる気がでない」「無気力」「自分探し」等のメンタル系不調の根本的な原因は、脳科学的には、
「他人との比較による自己肯定感の低下」にあるといわれています。
SNS等が普及する前は、実社会で自分の身の周りにいる人との比較だけでしたが、今では全く接点のない、出会う可能性のない人たちを知ることができるため、
「比較」の対象が爆発的に拡大してしまいました。
また、
インフルエンサーによるサラリーマンオワコン論、
みんな起業し稼ぐのがこれからの世の中の方向、
等の極端な論調がもてはやされる世の中。
それを実際に実行して、
会社を辞め、
起業して、お金を失い、借金をかさね、にっちもさっちもいかなくなっている人も多いのが現実の世界なのですが。
とにかく、自己肯定感を下げる要因にはことかきません。
どうすればメンタルを安定させることができるのか、メンタル不調を回避できるのか、その回復方法は?
それでは、不調に陥ってしまったメンタルをどうやって回復させればよいのでしょうか。
多くの実例をみてきた経験をもとに現実的な話をします。
メンタル不調に陥った人のほぼすべては病院にいきます。
精神科、心療内科にいくと短時間の診断を受け薬を処方されます。
薬を処方するのが精神科、心療内科の「仕事」だからです。
この文章を読んでいる方々は、病院というビジネス、仕組を理解されているとおもいます。
病院は営利組織です。
もちろん慈善事業をやっている組織ではありません。
利益を上げて医師、看護師、大勢の職員に給与を支払い利益を上げ運営していかなければならない企業体です。
なるべく多くの検査、診断、処置、投薬、指導等をして保険点数を稼がなければなりません。
慈善事業ではありませんから。
ですから、メンタル不調の人たちがいく精神科、心療内科では、
投薬処方が収益をあげるメインの手段となります。
もちろん、重症の場合には手術、入院などもありますが、ここではそこまでの重症を前提にしません。
私は精神科、心療内科の医師資格はありませんので、医学的な専門的アドバイスはできませんし、するつもりはありません。
こうしてくださいとは言いません。
ただ、多くの人たちの事例を聞いた経験、友人、知り合いの医師、専門家の本音を聞いた経験をもとにお話します。
よく
メンタル不調、うつ病の医学的原因はセレトニン不足・・・だから薬で補完・・・そうすれば回復する・・・
ということがいわれます。
心の病、根本的な原因である自己肯定感の低下を薬で治すことはできない
結論からいいますと、
心の病、根本的な原因である自己肯定感の低下を薬で治すことはできないようです。
一時的に薬の作用により、不安感が緩和されたり、気持ちが楽になったりすることはあるようですが、根本的な解決策だとはいえないようです。
よく聞くのは、
「薬を飲んだあとは一時的に気分が楽になるような気がするけれども、頭がぼーつとして眠たくなる。」
「継続して飲んでいると、いらいらしてきて飲まずにはいられなくなる。」
「薬がどんどん増えてきて、かえって不安になる。」
「攻撃的になりまずいと感じることがある。」
などの症状です。
薬に頼らず回復する方法はあるのか
それでは、薬に頼らない方法はあるのでしょうか。
あります。
この方法は多くの実績がありますし、友人の精神科医師、専門家も肯定している方法です。
第一段階として、自分の心の不調の原因を明確にしましょう。
なんで、自己肯定感がさがっているのか。
具体的に紙に書きだしてみましょう。
例えば
毎日、満員電車で押し合いへし合いしながらこれからも数十年会社に通って年をとるだけの人生なんて嫌だ。
おれの仕事はリモートワークなんて関係ない・・・
それに比較して、学歴も企業でまともに働いて成果をだしたこともなく
いい加減に生きているあのインフルエンサーは、
好き勝手なこと言いながら大金を稼ぎ、サラリーマンはオワコンなどとディスりあがって・・・
など、
自分の心に正直にすべて吐き出して、紙に書いてみてください。
他人に見せるものではありませんから、本当に正直に。
他人に見られるとおもうと、
「給料が少なくて彼女にフラれた」とか
「知り合いのAのSNS投稿を見ると、綺麗な嫁さんとかわいい子どもがいて幸せそうなのに、このおれは年収も低くてとても結婚できない」とか・・・
他人の目にふれる前提だと、こんな低レベルなこと書けないとおもうような自分の心の叫びを
一度すべて吐き出してください。
普通の人の悩みなんて所詮みんな同じようなものなのです。
低レベルも高レベルもありません。
そうすると、自分の今の状態の原因、その原因要素が明確になってきます。
そこが、Starting Point 出発点です。
他の人に話をすることにより心が軽くなる
あなたには、ある程度、心を許せて話のできる人がいますか。
古くからの友人、妻や夫、知人、行きつけの喫茶店のマスター、飲み屋のおねえさん・・・
会社関係の人、利害関係のある人、口の軽そうな人、噂好きの人・・・などは絶対に避けてくださいね。
後々のことを考えると百害あって一利なし、リスク高すぎます。
メンター的な人生経験豊富な年上の人がベストです。
第二段階では、だれかと会話して心の内を吐き出してください。
驚くほど心が軽くなるでしょう。
もしかしたらこの時点で回復して希望の光が見えてくるかもしれません。
このあとのプロセスに関しては、次回にします。
このメンタルの健全化は、身体の健康とともに、
幸せに人生を楽しむための基本的前提条件で、とても重要なことですので、今後も繰り返し話題にしたいとおもいます。